渡名喜島の家

渡名喜島では、沖縄の伝統的な赤瓦葺の木造住宅が比較的残っています。



それぞれの住宅の周りはフクギの生垣が囲い、台風の際の防風や夏の暑さを防いでいます。
また、住宅の敷地は道路よりも掘り下げられています。これは、台風の風の被害を防ぐためだそうです。掘り下げると雨水が溜まってしまうのではないかと思われるでしょうけど、渡名喜村集落は砂地の上に形成されていて、雨水が砂地を浸透していく為溜まらないのだそうです。



この家々も、徐々にコンクリート住宅に建てかえられたり、空き家になっている家も出てくる中で、これらの建物を保存しようと、渡名喜村では
渡名喜村渡名喜島重要伝統的建造物群保存地区
を指定し、伝統的な建物保存に乗り出しています。

看板に書かれている事を書き出します。

重要伝統的建造物群保存地区 平成12年5月25日選定

選定基準 伝統的建物群及びその周辺の環境が地域的特色を顕著に示している。

この集落は、東の浜と西の浜との距離が僅かに600メートルで、南北に山を控えており、集落上が風道になる。台風時には集落上を猛烈な潮雨が吹き抜けていく厳しい自然環境の中で特異な敷地形状が形成されている。

渡名喜島民家の特徴
・敷地が集落道路よりも低く掘り下げられている。
・防風防火のための徹底した福木の屋敷囲いは、台風や季節風の備えばかりでなく、住民のプライバシーや日常の風通しの効果を求めた環境対策になっている。
・集落の道路は微妙なカーブと食い違いの道路交差、白砂の細い道と緑の空間などによって集落景観を豊かにしている。
・建物配置は、掘り下げたせまい敷地を有効に利用するため、主屋と炊事場部分を1棟にしている。そのほか納屋、井戸など沖縄の伝統的な民家配置が合理的に形成されている。
・主屋の平面は、表座を居住空間とし、裏座に食料や種子の穀物類を収納する空間とした沖縄民家の古い形を残している。

小規模な家屋平面をできるだけ広く空間利用をするために、南と東に縁側、雨端が設けられ、内部空間と外部空間の緩衝的な役割を果たし、自然と調和した共生型の建造物群である。

・集落内には、古くから生活用水として使用してきた村共同井戸(むらがー)や祭祀の場である殿屋敷(とぅんやしき)の拝所が複数あり、集落の歴史的景観の形成過程を今も大切に伝えている。

渡名喜村渡名喜島重要伝統的建造物群保存地区は、厳しい自然環境にあって、福木の屋敷林で覆われた集落景観と琉球赤瓦葺きの木造建築や石垣などの伝統的建造物を現在に良く伝え、地域的特色を顕著に残しており、我が国にとって保存する文化的価値が高い。


という事です。
具体的な保存建物については、港の横、灯台の近くにあるこの看板に、その家の屋号と共に記されていますので、建物群が目的の方は、まずこの看板を読まれたらいいのではないかと思います。







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